会社の対応が拡大を防ぐ!?社員がインフルエンザに感染したら

例年冬の季節になると大流行し、多くの感染者を出すインフルエンザ。1人がかかると短期間に次々に他の人にも感染してしまうので、会社や学校など集団の中では特に注意が必要といえます。ここでは特に会社で自社の社員がインフルエンザにかかってしまったときに、オフィスを管理する側が知っておきたい知識をまとめました。適切な対応を取ってもらえば、社員の体調も早く回復し、周りへの感染を防ぐことにつながるでしょう。

インフルエンザと風邪の違いは?

では、インフルエンザと普通の風邪はどう違うのでしょうか。風邪は通常さまざまなウイルスによって引き起こされます。症状としては、のどの痛み、鼻水、くしゃみや咳などが中心です。症状の現れ方はゆるやかで、全身症状はあまり見られないのが特徴です。

一方インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる病気です。ウイルスによってタイプが分けられ、それぞれ症状が異なります。感染すると主に発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、だるさといった全身症状が急激に現れるのが特徴です。風邪に比べると症状は重症化しやすく、免疫力の弱い子供やお年寄りは特に注意が必要です。

インフルエンザは一般に感染から1~3日の潜伏期間の後発症し、全身症状を経て完全に落ち着くのに7日前後かかります。普通の風邪と違い感染力が強いため、症状が落ち着いてもウイルスが体内にある間は他人へ感染させてしまう恐れがあります。そのため、治ったと思ってもしばらくの間は油断ができないのがインフルエンザなのです。

法律の扱いは?

会社員がインフルエンザにかかってしまっても、出勤停止等の措置を命じる法律はありません。つまり、出勤しても法的には違法にならないのです。しかし、そのままにしておくと感染が拡大し、会社全体の業務に支障が出てしまいかねません。そうなると会社に大きな損害が出てしまうでしょう。このような事態を避けるために多くの会社で、インフルエンザにかかったときに社員が従うべき規則を設けています。

この規則のもとになるのが、学校での感染症対策を定めた「学校保健安全法」という法律です。学校保健安全法では、「発症後5日間、かつ、解熱後2日間」は学校への登校を停止することを定めています。「発症後5日間」、「解熱後2日間」の両方の条件が満たされていないと学校に登校できません。ここでは、発症日ではなく発症の翌日を1日目として数えます。そのため、ほとんどの場合は、1週間前後自宅で療養することが求められます。

細かい部分は異なるものの、多くの会社では学校保健安全法に従った規則が作られています。社員がインフルエンザにかかったら、まずは会社の就業規則に従って行動してもらう必要があります。そのためには、インフルエンザに対する就業規則の整備が必要で、その中でかかったときの対応を決めておく必要があります。

上記は季節性のインフルエンザに対する措置です。新型インフルエンザの場合は例外で、法律で出勤停止が定められています。同じインフルエンザでも対応が違うので注意してください。ここでは、特に季節性のインフルエンザについて説明しています。

社員がインフルエンザにかかってしまった!会社の取るべき対応とは?

インフルエンザが流行する12~3月は、会社によっては業務が忙しい時期とも重なります。できれば社員には、インフルエンザにかかってほしくない、長期間休んでほしくないというのが管理者側の本音でしょう。しかし一番大切なのは、早く治してもらうとともに、他の社員への感染を広げないことです。社会人として適切な対応を取るように周知徹底しましょう。

対応の規範となるのが、前の章でも述べた会社の就業規則です。就業規則では、インフルエンザにかかってしまったとき、どのくらい休むべきか、いつから出勤できるかなどが、会社ごとに定められています。会社の規則を理解してもらうことで、インフルエンザにかかったときに、どのような対応を取るべきかが分かります。

インフルエンザかなと思ったら、まずは早めに病院へ行って適切な検査や治療を受けてもらうことが大切です。病院でインフルエンザと分かったら、すぐに会社に連絡させるようにしましょう。電話対応では、社員の上司などから就業規則に従って何日休んでくださいと指示を出してもらうようにしてもいいでしょう。会社を休ませた上で、体調も見ながら適切な復帰の時期を見極めてもらうことが大切です。ちなみに厚生労働省が定めている基準では、発症から3~7日はウイルスが体内にいる状態とされています。この間は他人に移す恐れがあり、解熱したからといって治った訳ではありません。完全に治るのに1週間位は休んでもらう必要があります。

会社にはっきりとした就業規則がない場合はどうすればよいのでしょうか。社員によって休む時期や扱いに差をつけるべきではありません。この場合は、とるべき対応をあらかじめ決めておくといいでしょう。対応とあわせて、医師の判断や社員自身の体調をかんがみながら、復帰時期を決めてもらいましょう。

会社に復帰できても、まだインフルエンザウイルスが体内に残っている可能性があります。咳や鼻水などを通して、他の人へ移してしまう危険性もあります。休んでもらうのがベストですが、やむを得ない場合もあるでしょう。そのようなときは、マスクなどで感染拡大を防ぐように注意喚起等を行うことが大切です。

休んだ期間はどう取り扱ったら良い?

1週間近くも会社を休むとなると、管理する側も休暇をどう扱ったらいいのか困ってしまいます。しかし、有給休暇が残っているのならば、休んだ期間を有給休暇として申請してもらうことも1つの手段です。給料が保証されるとともに、診断書などの提出も必要なく、双方にとってメリットが大きい制度といえます。

しかし、何らかの事情で有給休暇がとれない社員も少なからずいるでしょう。その際にとれる休暇としては、どんな選択肢があるのか、はっきり示しておきましょう。病気の際の休暇の取り扱いは就業規則で決められており、会社によっても対応が異なります。ですので、社員に自社の休暇制度の種類を知ってもらうことが重要になります。

休暇制度では、休んでいる間の給料が支払われるかどうかも会社によって異なります。また、場合によっては、病気であることを証明するために診断書を提出してもらう必要があります。有給休暇より社員にとっては不利なこともありますが、メリット・デメリットなどもきちんと伝えておいた方が後々問題が起こりにくくなるでしょう。

出社した社員への罰則規定は定める必要あり?

体調が悪くても休めない、仕事量や責任が増えるに従ってそう考える社員も多いことでしょう。インフルエンザだと分かっていても、どうしても抜けられない社用で出社してしまった社員がいてもおかしくありません。では、そんなときの罰則は定める必要はあるのでしょうか。
結論からいうと、季節性インフルエンザの場合には罰則規定を定める法律はありません。会社の場合は学校と違い、法律で明確に休むように規定されていないからです。しかし、他の人へと感染を拡大させてしまう可能性があり、モラルとして社員が行うべき望ましい行為とはいえません。会社の規則に従って出社は控えてもらうというのがベストな選択です。インフルエンザにかかってしまった社員には、ゆっくり療養してもらうことを促しましょう。療養に専念すれば社員も病気を早期に治すことができ、さらには周りへの感染拡大を防ぐことにもつながります。