広がる前に対策を!オフィスでやるべきインフルエンザ対策とは

冬場になると流行するインフルエンザは38℃を超える高熱が出たり、ひどい頭痛や体のだるさを生じたりするなど、一般的な風邪よりさらに重症となりやすい疾患です。感染力が強いため、同じ空間で長時間を共にすることも多いオフィスで一度発症するとあっという間に広がり、仕事に大きなダメージを与えることにもなりかねません。そこで、流行前に事前にとっておくべきオフィスでのインフルエンザ対策についてご紹介します。

まずは基本を守る!手洗いによる予防対策の徹底は必須

インフルエンザの感染を防ぐために社員一人一人に徹底した予防対策をすすめることは大切なポイントとなります。
インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染が原因で発症する疾患です。感染経路には接触感染と飛沫(ひまつ)感染とがあります。まずは、基本の予防策となる手洗いで接触感染を防ぐと良いでしょう。接触感染とは、感染者が触った物などを経路として間接的にウイルス感染させることをいいます。たとえば咳をした際に手で口元をおさえるとインフルエンザウイルスは手に付着します。ウイルスが付いた手で触った物を別の人が触り、触った人がその手を自分の口や鼻に触れさせると粘膜を通して体内にウイルスを侵入させてしまうのです。
オフィスには複数の人が共有して使用する物や、不特定多数の人が行き来するドアのノブやスイッチなどがあります。接触感染を防ぐためにも、こまめな手洗いを実践することは有効な予防策となるのです。
また、手洗いを行うことだけではなく、正しく手を洗うように指導することもポイントとなります。正しい洗い方を示したイラスト入りのポスターを手洗い場に貼りつけておくと徹底した指導へとつながります。
トイレなどでの手洗いの必要性を周知させるだけではなく、外出の多い社員や来客などにより運ばれてくるウイルスを防ぐことも重要です。会社や各部屋の出入り口付近に消毒用のアルコール製剤を設置しておくことでもインフルエンザの感染予防に高い効果が期待できます。

感染したらうつさない!ウイルスを飛ばさない!感染経路を遮断するマスクのすすめ

接触感染とともに、もうひとつの感染経路となるのが飛沫感染です。飛沫感染とはインフルエンザウイルスの感染者が咳やくしゃみ、つばなどにより飛ばしたウイルスを他の人が口や鼻から吸い込んでしまうことにより感染してしまうことです。この感染経路を遮断するために効果的な物がマスクとなります。

ビジネスにおいて他者と関わることは避けられません。仕事は一般的に社内の人間だけではなく、社外の人と接触する機会もあるため、飛沫感染もオフィスで起こりやすい感染経路となります。このため、可能な限りマスクの着用を心がけるように促すことが大切です。社内の各所にマスクを常備し、必要に応じていつでも使用してもらえるように備えておくことで感染を防ぐ対策が取れます。

また、使用後のマスクにはインフルエンザウイルスが付着しています。使用後は放置せずにすぐに捨てるように伝えておくことも大切です。鼻をかんだり痰を捨てたりした際に使用したティッシュなどの廃棄方法にも気を付けるように周知しておくことも求められます。
会社では業務によってマスクを着用しにくいという立場の人もいます。そのような人には、くしゃみや咳をする際には手を使用せずハンカチやティッシュなどで口元をおさえるようにすすめておくことも必要です。

また、社内での連絡や相談はメールやチャットなどによりできるだけパソコン上で済ませるようにしたり、テレビ会議を積極的に取り入れたりといった方法も接触による感染を防ぐ予防策となります。

湿度を保って、感染を防ぐ!加湿器の設置も効果的

インフルエンザウイルスは鼻や口の粘膜にウイルスが付着することにより感染します。通常であれば、粘膜は外部からの異物を防御し、異物に対して抵抗する働きをします。しかし、乾燥するとその機能が低下してしまうため、免疫機能が正常に働かなくなってしまうのです。空気を乾燥状態にすると、粘膜も乾燥しやすくなります。粘膜が乾燥すればウイルスに感染しやすくなり、インフルエンザを発症する確率が高まるのです。

オフィスとして使用される建物は密閉性の高い構造となっていることが一般的です。空調設備に頼り空気の入れ替えを行うことがほとんどないというオフィスも少なくありません。特に冬などは暖房設備により空気が暖められて空気中の水分が失われ、オフィス内の湿度は低くなります。ウイルス感染を予防するためにはオフィスの空調状況に応じて、湿度を上げることが大切です。乾燥しやすい場所には加湿器を設置するなどして湿度を適正な状態に保つよう心がけることがインフルエンザ予防につながります。感染を防ぐために適切となる湿度は50パーセントから60パーセントです。

予防接種の推奨

インフルエンザの予防として1番効果的といわれているのが予防接種です。インフルエンザウイルスに感染してしまった場合に発症を抑える働きと、発症した後に症状が重度となることを防ぐ効果が期待できるワクチン接種を社内全員に推奨することは効果的なインフルエンザ予防策となります。季節性のインフルエンザワクチンは通常、接種して2週間後くらいから効果があるといわれています。このため、流行する前に事前に予防接種を受けておくように社員全員に推奨しておくとよいでしょう。また効果が続くのは接種後5カ月ほどです。さらに流行するウイルスの型は毎年変わります。このため、毎年接種することが必要である旨もあわせて案内しておくと安心です。

ただし、ワクチン接種には副作用のリスクもあるため、社員に対して会社が予防接種を強制することはできません。ワクチンを接種することにより期待できる効果を紹介するなどして、個々の希望によって接種を受けるよう促すようにしましょう。ワクチン接種の効果については社内の掲示板にポスターを貼り付けておいたり、社内報に掲載したりする方法などもあります。予防接種を受ける社員に対して、接種にかかる費用の全額、あるいは一部を会社が負担するといった対策を取ることも、自主的に接種させるように促すためには効果的な手段となります。

いざという時を考慮した業務体制の整備も必要!

それぞれが責任ある業務を担う会社では社員が休みを取るということは、たとえ病気であっても気軽にできるものではありません。しかし、インフルエンザに感染している人を出勤させることはウイルスを社内に蔓延させてしまうリスクを高めることにもつながります。社内全体にインフルエンザウイルスが感染してしまうと、ひとりの社員が担当する仕事に穴を空けるだけではなく、部署やオフィス全体を閉鎖するほどの事態を引き起こすことにもなりかねません。
インフルエンザの症状が出た社員がいた場合には迅速に病院で診察を受けることを勧め、感染していることが確定したら無理をせずに休暇が取れるように促すことも必要となります。突然、社員が休みを取っても慌てることがないように事前に社内で対応策を用意しておくと安心です。たとえば、ひとつの業務に対応できる社員を複数人用意しておいたり、ネットなどを活用し非常時には出勤しなくても業務が遂行できるような体制を整えておいたりすることもよい方法となります。


さらに、インフルエンザのウイルスが社内に蔓延しないように業務の一環として社員の清掃体制を整えておくことも必要です。清掃漏れがないように促すだけではなく、共用部やドア、水道の蛇口など人が多く集まったり、触ったりする部分は特に重点的に消毒を行うように清掃担当者に指導しておきます。社員による清掃が難しい場合には、専門の業者に委託することも検討するとよいでしょう。